专利摘要:
本発明は、バイオチップを構成するバイオセンサーの金属電極表面に生物にやさしい誘電性薄膜を形成することを特徴とする。このような生物にやさしい誘電性薄膜を使用すれば酵素のようなタンパク質と金属電極間の非特異的吸着を防止することができる。したがって、本発明はバイオチップ内において金属電極表面への非特異的吸着による生理活性物質の反応が阻害される現像を防止することができ、また生物にやさしい誘電性薄膜として誘電定数の高い誘電性薄膜を金属電極表面に形成すれば、生理活性物質の反応による電気的検出感度を向上させることができる。
公开号:JP2011515695A
申请号:JP2011501708
申请日:2009-01-20
公开日:2011-05-19
发明作者:リ,ジェーフン
申请人:デジタル ジェノミクス インコーポレイテッド;
IPC主号:G01N33-53
专利说明:

[0001] 本発明は、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的特性変化を精密に検出し、生理活性物質の存否および/または反応有無を高感度で検出するバイオセンサー、これを含むバイオチップおよびこれを製造する方法に関する。]
[0002] 具体として、本発明は、生理活性物質の電気的検出を行う金属電極表面への非特異的吸着を防止するバイオセンサー、これを含むバイオチップおよびこれを製造する方法に関する。]
[0003] さらに詳しくは、本発明は、生理活性物質の電気的検出を行う金属電極表面に誘電性薄膜を形成して非特異的吸着を防止し、生理活性物質の電気的検出感度および検出再現性を高めたバイオセンサー、これを含むバイオチップおよびこれを製造する方法に関する。]
背景技術

[0004] バイオチップは、遺伝子およびタンパク質の情報を大量に、かつ自動に分析することができる、或いは生理活性物質の存否および機能を比較的簡単で、かつ迅速に分析することができる装置である。このようなバイオチップは、遺伝子およびタンパク質の研究分野、医薬分野、農業、食品、環境および化学産業など、多様な分野において、その応用が活発に行われている。]
[0005] バイオチップは、プローブを利用して特定遺伝子の存否をチェックする遺伝子型DNAチップ(genotypingchip)、特定疾患関連遺伝子の発現を解析する遺伝子発現解析DNAチップ(expression chip)、そして血液や小便のような試料内の生理活性物質の存否および/反応有無をチェックするマイクロフルイディクス・チップ(microfluidics chip)に大きく分けられる。現在、研究分野および医療診断分野において、普遍的に常用化され、使用されているのが遺伝子型DNAチップである。]
[0006] 一般に、マイクロアレイチップとは、数百から数万種類の遺伝子やタンパク質を、マイクロアレイ装置を利用し、ガラス基板上に一定の間隔で載せて配列したチップを意味する。このうち、プローブであるオリゴヌクレオチドをガラス基板上にマイクロアレイして特定遺伝子の存否を蛍光スキャナーで確認するものがDNAチップである。
DNAチップは、研究用分野と診断分野において活発に活用されているが、遺伝子発現プロファイリング(gene expression profiling)分野および遺伝子型(genotyping)分野などの技術を活用して細胞内の新陳代謝、生理学的現象および各遺伝子間の相互連関性など、遺伝子の機能を明かすことに活用されたり、癌のような特定疾患の発病機作および進行診断、薬物作用機作の究明、疾病原因菌の遺伝子情報の確認および変異抽出などのような診断分野などでも活用されている。]
[0007] 診断用DNAチップの開発は、1994年 AffymetrixのSteve Fodor博士が開発したHIV遺伝子チップの常用化により市場が形成され始め、HIV、リウマチ、自己免疫疾患、慢性腎臓炎、動脈硬化症、アトピー性皮膚およびアレルギー疾患などの慢性疾患を診断することのできる診断用DNAチップの研究が活発に進められている。特に、最近のDNAチップ分野の研究は、研究用チップとしてよりは診断用チップとしての研究開発の方向が動いており、遺伝子型、病原菌またはウィルスの診断分野にのみ適用可能な遺伝子型(genotyping)チップから癌、白血病などの多様な疾病の診断が可能な遺伝子発現解析(expression)チップ分野に対する取り組みが行われている。
また、最近はITおよびナノ技術と組み合わせて1個のチップで数々の疾病を同時に感知し、各自の遺伝情報から発病の可能性まで予測できるマイクロフルイディクス・チップ(Lab−on−a−chip)技術が注目を集めている。生体バイオチップとも呼ばれるマイクロフルイディクス・チップは、微量の分析対象物質(DNA、RNA、ペプチド、タンパク質など)をチップ内のチェンバー内へ流し込みながら、チップ内の各種生理活性物質の反応を解析するチップである。このような生体バイオチップは、反応チェンバー内の生理活性物質の反応による電気的特性の変化をチップ内に設けられた電極が感知し、生理活性物質の存否および/または反応有無を検出する。]
[0008] このような生体バイオチップは、前述したDNAチップに比べ、電気的信号の検出により比較的簡単で、速やかに生理活性物質の存否および/または反応有無を確認することができるため、医療診断分野において活用度が高い。
例えば、子宮頸がんの発生原因のウィルスであるHPV陽性可否を診断するためのHPV DNAチップは、HPVプローブ・オリゴヌクレオチドを準備し、これをガラス基板上にマイクロアレイしたものであるものの、子宮頸がんの高危険群から採取した試料をそのまま適用してはHPV陽性可否の診断が不可能である。すなわち、蛍光標識されたHPVウィルス遺伝子のプライマーを別途に準備し、採取された試料をPCR増幅させた上、HPV DNAチップに載せ、蛍光の発光有無を蛍光スキャナーで確認しなければならない。したがって、DNAチップを用いたハイブリッド確認方式(レーザー誘発蛍光法;laser−induced fluorescence)は、操作に手間がかかり、時間のかかる作業であって、蛍光物質で試料DNAを標識するとき、高コストになり、高価の蛍光スキャナーの使用とこれにより携帯が不可能という点など、様々な問題点と短所を持つ。]
[0009] これに対し、生体バイオチップは、電気的信号の検出により比較的簡単で速やかに生理活性物質の存否および/または反応有無を確認することができる。すなわち、生体バイオチップは、蛍光でない電気的信号を用いてハイブリッド形成可否ないしは生理活性物質(例えば、DNA)の存在および反応有無を検出することができる。すなわち、生体バイオチップからはバイオセンサーであるセンシング電極に固定された受容体と生理活性物質の反応によるインピーダンス(またはキャパシタンス)の変化を測定したり、チップのチェンバー内において生理活性物質間の反応によるインピーダンス(またはキャパシタンス)の変化をバイオセンサーであるセンシング電極が感知し、これを電気的に検出する方式を利用している。]
[0010] 例えば、PCR過程において、dNTPは、dNMPとディフォスフェイトに分解されるとともにdNMPは、テンプレートDNA序列に相補的なプライマーに重合され、DNAが合成され、DNAの濃度の増加に応じてPCR反応溶液内のインピーダンスは増加するとして知られている(韓国公開特許公報第10−2004−0042021号参照)。したがって、PCR反応チェンバーをバイオチップ形態に製作し、このようなバイオチップに提供された電極により反応溶液内のインピーダンス変化を電気的に検出すると、PCR反応の有無および特定DNA塩基配列の存否を判断することができるようになる。 バイオチップによる反応チェンバー内の生理活性物質の存否および/または反応有無の正確な確認のためにはセンシング電極による正確な電気的検出が重要となる。このような理由によりバイオチップを構成する多様なバイオセンサーが開発されている。]
[0011] ところが、バイオチップを構成するバイオセンサーの金属電極表面には生理活性物質自体または生理活性物質反応の産物が非特異的に吸着される。例えば、PCR反応チェンバーに金(Au)電極パターンが統合されたシリコン系のPCR反応チップにおいてはバイオセンサーの金(Au)電極表面にDNAポリメラーゼのような酵素が非特異的に吸着される。]
[0012] 今まで知られたところによれば、酵素のタンパク質構造上の疎水性ポケット構造(hydrophobic pocket)とバイオセンサーの金属電極表面の疎水性相互作用(hydrophobic interaction)により酵素のようなタンパク質がバイオセンサーの金属電極に非特異的に吸着され、また酵素のようなタンパク質のアミノ酸の−SH(Thiol group)による金属電極表面(特に、金から形成された電極表面)におけるSAM(Self−Assembly−Monolayer)形成によりタンパク質の非特異的吸着が起こるとして知られている。このような金属電極表面へのタンパク質の非特異的吸着は金属電極表面にて電気的二重膜を形成するようになる。]
[0013] このようなバイオセンサーの金属電極表面へのタンパク質などの非特異的吸着による電気的二重膜は大きく2つの問題点を引き起こす。]
[0014] 第一に、タンパク質などがバイオセンサーの金属電極表面に非特異的に吸着され、測定しようとする生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応の妨げとなる。前述したPCR反応チップにおける金属電極表面へのDNA重合酵素の非特異的吸着は、PCR反応の妨げとなり、ターゲット・テンプレートDNAが試料内にある場合にもPCR産物が形成されなくなる。したがって、ターゲット・テンプレートDNA存否および/反応有無をバイオセンサー電極が電気的に検出することができなくなる。]
[0015] 第二に、タンパク質などがバイオセンサーの金属電極表面に非特異的に吸着され、電気的二重膜が形成されるとバイオセンサーの電気的検出値に変化をもたらしてしまい、バイオセンサーおよびこれを含むバイオチップの精密な分析が困難となる。]
[0016] これと関連し、韓国公開特許第10−2004−0042021号のような従来のバイオチップにおいては生理活性物質の反応によるインピーダンスの変化をバイオチップに提供されたバイオセンサー電極が感知し、反応有無および特定生理活性物質の存否を判断する方式を採択している。したがって、バイオチップの信頼性を確保するためにはバイオセンサー電極においてインピーダンス値の変化の精密な感知が重要となる。一般に、インピーダンス(Z)は、実部である抵抗(R)と、虚部であるリアクタンス(X)の和で表示され(下記数式1参照)、その大きさは抵抗値(R)とリアクタンス値(X)との平方根に該当される(下記数式2参照)。]
[0017] ]
[0018] したがって、インピーダンス(Z)は、リアクタンス(X)と相関関係を有する。また、リアクタンス(X)はωL−1/ωCであるため、キャパシタンス(C)と相関関係を有する。したがって、生物学的、生化学的または化学的反応によるキャパシタンス(C)値の変化は、インピーダンス値の変化として反映され、これを測定することによって生理活性物質の反応有無および/または存否をチェックすることができる。結局のところ、バイオチップにおいてキャパシタンス値の変化は、インピーダンス値の変化を誘導し、これはバイオチップの検出感度に影響を与えることを知ることができる。
ところが、バイオチップにおいてキャパシタンス値の変化は生理活性物質の反応によってのみ誘導されるものでない。例えば、前述したようにバイオセンサーの金属電極表面への非特異的吸着による電気的二重膜が形成されるとセンサー電極での電気的特性値の変化が現れる。]
[0019] 図1の(a)に示すようなヘルムホルツモデル(Helmholtz model)から確認されるように電極表面に対するタンパク質などの非特異的吸着は電気的二重膜を形成するようになり、これは電極表面での急激なポテンシャルの降下を誘発するようになる。このような電気的二重膜は図1の(b)に示すような等価回路として表示されることができるが、実際に測定しようとする生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化値の外に電極表面にタンパク質などの非特異的吸着による電気的二重膜のキャパシタンスの変化値(Cdl)が存在するようになる。] 図1
[0020] したがって、バイオチップ内においてバイオセンサー電極によりインピーダンス値の変化を測定する場合、全キャパシタンス変化値(CT)は電極表面にタンパク質などの非特異的吸着による電気的二重膜のキャパシタンス値(Cdl)と、前記電気的二重膜と分離された仮想の電極板ともう1つの電極間で生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化値(Ct)を含むようになる(下記数式3参照)。]
[0021] 前記数式3から分かるように、電極表面にタンパク質などの非特異的吸着による電気的二重膜のキャパシタンス値(Cdl)の逆数値(1/Cdl)項目が大きい場合、生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化値(Ct)の逆数値(1/Ct)項目を吸収してしまう。このような場合、生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化は全キャパシタンス変化値(CT)に影響を与えられなくなる。また、電極表面にタンパク質などの非特異的吸着による電気的二重膜のキャパシタンス値(Cdl)の逆数値(1/Cdl)が非常に大きくない場合でもこれは全キャパシタンス変化値(CT)に影響を与えるようになる。したがって、タンパク質などの電極表面への非特異的吸着はバイオチップのセンシング電極による電気的検出が不正確になるという問題が発生する。]
[0022] これに本発明の発明者等は、生理活性物質の電気的検出を行う金属電極表面に誘電性薄膜を形成し、生理活性物質の非特異的吸着を防止し、生理活性物質の反応を高感度で電気的に測定するバイオセンサーおよびこれを含むバイオチップを考案するに至った。]
先行技術

[0023] 韓国公開特許公報第10−2004−0042021号]
発明が解決しようとする課題

[0024] 本発明は、前述したような従来技術においてバイオセンサー電極に対する非特異的吸着の問題およびこれによる生理活性物質の反応妨害そしてセンサー電極での電気的特性値の変化の問題を解決することにその目的がある。]
[0025] 具体として、本発明は生理活性物質の電気的検出を行う電極表面への非特異的吸着を防止するバイオセンサー、これを含むバイオチップおよびこれを製造する方法を提供することにその目的がある。例えば、本発明は、MEMS(Micro−Electro−Mechanical−System)薄膜技術を利用し、PCR産物およびDNAの電気的検出を目的とする電極が形成された反応チェンバーにおいて金属電極表面にタンパク質などの非特異的吸着を防止することにその目的がある。]
[0026] さらに詳しくは、本発明は、生理活性物質の電気的検出を行う電極表面に誘電性薄膜を形成して非特異的吸着を防止し、生理活性物質の反応による電気的検出感度および検出再現性を高めたバイオセンサー、これを含むバイオチップおよびこれを製造する方法を提供することにその目的がある。]
課題を解決するための手段

[0027] 本発明は、バイオチップを構成するバイオセンサーの金属電極表面に生物にやさしい誘電性薄膜を形成することをその構成上の特徴とする。このような生物にやさしい誘電性薄膜を用いれば、前述の酵素のようなタンパク質と金属電極間の非特異的吸着を防止することができる。]
[0028] また、生物にやさしい誘電性薄膜として誘電定数の高い誘電性薄膜を金属表面に形成するとバイオチップの反応チェンバー内において生理活性物質の反応による電気的検出感度を向上させることができる。これを説明すると次の通りである。]
[0029] 通常、キャパシタンスは次の下記数式4の通り定義される。]
[0030] ところが、前述した数式3に定義された通り、生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化値を正確に反映し、電気的に測定するためには電極表面にタンパク質などの非特異的吸着によるキャパシタンス値(Cdl)の逆数値(1/Cdl)が小さくなければならない。例えば、Cdlが無限値だとすれば、前記逆数値(1/Cdl)は0に近くなり、全キャパシタンス変化値(CT)は生理活性物質の反応によるキャパシタンス変化がほとんど反映され、電気的検出感度および検出再現性を高めることができる。]
[0031] したがって、金属電極表面を誘電定数の高い物質で薄膜化すればCdl値が大きくなり、その逆数値(1/Cdl)は0に近く固定されるため、薄膜の誘電定数に比べ顕著に低い誘電定数を有するようになる反応溶液の電解質または緩衝溶液上での生理活性物質の検出の感度は顕著に高くなり、金属表面に対する非特異的吸着は全キャパシタンス変化値(CT)に影響を与えられなくなる。]
[0032] したがって、本発明の好ましい一実施例ではバイオチップを構成するバイオセンサーの金属電極表面に生物にやさしく、誘電定数の高い誘電性薄膜を形成することを特徴とする。]
[0033] 本発明にて用いられる誘電定数の高い誘電性薄膜は、半導体蒸着工程により金属電極表面に薄膜で形成することができ、バイオチップ内での生理活性物質の反応を妨害しない誘電性薄膜であれば十分である。例えば、二酸化シリコン(silicon dioxide)薄膜、窒化シリコン(silicon nitride)薄膜、酸化窒化シリコン薄膜、PSG薄膜、BPSG薄膜またはTa2O5薄膜を挙げることができる。ただし、本発明はこれらに限られず、当業者であれば誘電定数の高い薄膜として、生物反応を阻害しないものを排除しないということは理解できるはずである。]
[0034] 理論的には金属表面での電気的二重膜のCdl値を大きくすれば良いが、誘電定数の高い誘電性薄膜を金属電極表面に厚く形成すると誘電定数の高い誘電性薄膜は絶縁性を帯びるため、電気的検出を行う電極の検出敏感度に影響を与え得る。]
[0035] したがって、バイオチップのセンシング金属電極表面に形成される誘電定数の高い誘電性薄膜の膜厚は約1μm以下であることが好ましく、より好ましくは約50nm以下であることだ。半導体蒸着技術が許す範囲でなるべく薄く薄膜を形成するのが良い。バイオチップの金属電極表面に誘電性薄膜を蒸着するために化学気相蒸着(chemical vapor deposition;CVD)、真空蒸着(vacuum evaporation)またはスパッターリング(sputtering)などの方法を用いることができる。]
[0036] 本発明のバイオセンサーは基板と、該基板上に形成された絶縁膜を間に置いて形成され、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極を含み、前記センシング金属電極表面には誘電性薄膜が形成されたことを特徴とする。]
[0037] また、本発明のバイオセンサーを製造する方法は、基板を準備する段階と、前記基板上に絶縁膜を成膜する段階と、前記絶縁膜上に金属層を積層し、フォトリソグラフィ工程を利用して前記金属層をパターニングする段階と、前記パターニングされた金属層をエッチング処理し、金属電極を形成する段階と、前記金属電極表面上に誘電性薄膜を形成する段階と、を含む。]
[0038] 一方、前述したようなバイオセンサーを含む本発明のバイオチップは、第1の基板と、該第1の基板上に形成された絶縁膜を間に置いて形成され、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極と、該第1の基板上に一定の距離を置いて前記第1の基板と結合して反応チェンバー・スペースを形成する第2の基板を含み、前記金属電極表面には誘電性薄膜が形成されたことを特徴とする。]
[0039] 本発明の一実施例のバイオチップにおいて、前記第2の基板は前記第2の基板上に形成された絶縁膜を間に置いて形成され、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極を含むことができる。]
[0040] 本発明の一実施例において、前記電気的変化はインピーダンス変化および/またはキャパシタンス変化ともあり得る。]
[0041] 本発明の一実施例において、前記誘電性薄膜は誘電定数の高い物質でなされた薄膜であることが好ましい。好ましくは、前記誘電定数の高い物質からなる薄膜は、二酸化シリコン(silicon dioxide)薄膜、窒化シリコン(silicon nitride)薄膜、酸化窒化シリコン薄膜、PSG薄膜、BPSG薄膜およびTa2O5薄膜から構成された群から選択された少なくとも一種の薄膜ともあり得る。より好ましくは、前記誘電定数の高い物質からなる薄膜としては、二酸化シリコン(silicon dioxide)薄膜または窒化シリコン(silicon nitride)薄膜である。]
[0042] 本発明の一実施例において、前記誘電性薄膜の膜厚は約1μm以下であることが好ましく、より好ましくは約50nm以下であることだ。]
[0043] 本発明の一実施例において、前記金属電極は金、クロム、銅またはアルミニウムで形成することが好ましい。]
[0044] 本発明の一実施例において、”生理活性物質(biomolecule)”は1つないしそれ以上のヌクレオチドで構成された核酸、1つないしそれ以上のペプチドで構成されたタンパク質、アミノ酸、糖脂質、または低分子化合物であり、好ましくは抗原、DNA、RNAまたはPNA(peptide nucleic acid)ともあり得る。]
[0045] 本発明の一実施例において、前記基板は正方形、長方形、円形の形状を有することができるが、本発明はこれに限られるものでない。前記第1の基板および第2の基板はシリコン基板またはガラス基板であることが好ましいが、これらの基板はこの他にも融合シリカ、ポリスチレン、ポリメチルアクリルレート、ポリカーボネート、金、銀、銅、または白金のうちのいずれから構成されることができる。前記第1の基板または第2の基板はN型またはP型シリコン基板上のSiO2絶縁層上に1つまたはそれ以上の金属電極が形成されたものであって、生理活性物質の存否および/または反応有無の確認のための電気的検出を行う。前記第1の基板または前記第2の基板は、各々前記第2の基板の金属電極または前記第1の基板の金属電極が外部環境と接触することを防止し、かつ前記第2の基板または前記第1の基板と結合して反応チェンバー・スペースを形成する。前記第1の基板と前記第2の基板は直接接合し得、ガラスウェーハを間に置いて接合されることもできる。]
発明の効果

[0046] 本発明は、バイオチップにおいて生理活性物質の電気的検出を行う電極表面への非特異的吸着を防止し、バイオチップ内において生理活性物質の反応が円滑に行われるようにする効果がある。]
[0047] また、本発明はバイオチップにおいて、生理活性物質の電気的検出を行う電極表面に誘電性薄膜を形成し、非特異的吸着を防止することによって生理活性物質の反応による電気的検出感度および検出再現性を高めることができる。]
[0048] 具体として、本発明は交流の抵抗であるインピーダンスを測定する検出方式において電解質または生物緩衝液の環境にて生物反応を検出しようとする時、非特異的吸着の防止ばかりでなく高再現性、高感度の生物反応の検出を可能にする。]
図面の簡単な説明

[0049] ヘルムホルツモデル(Helmholtz model)を説明する模式図であって、電極表面に形成された電気的二重膜により電極表面において急激なポテンシャルの降下が見られるのを示す。
本発明の一実施例のバイオセンサーを製造する工程のうち、シリコン基板上に金属電極パターンを形成し、誘電性薄膜を蒸着する過程を説明する工程フローチャート。
図2の工程後、製作されたバイオセンサーの電極部分の拡大断面図 。
本発明の一実施例のPCR反応チップ(200)の断面図。
本発明の一実施例のPCR反応チップ(200)を製造する工程を説明する工程フローチャート。
本発明の一実施例のPCR反応チップ(200)を利用してPCR反応を行った後、電気泳動結果と、誘電性薄膜が金属電極表面に蒸着されない対照群PCR反応チップ(電極表面積が34mm2であるものと電極表面積が10mm2であるもの)を利用してPCR反応を行った後の電気泳動結果を比較する写真。] 図2
実施例

[0050] 以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に記述する。本発明の下記の実施例は本発明を具体化するためのものであって、本発明の権利範囲を制限または限定するものでない。本発明の詳細な説明および実施例より本発明が属す技術分野の専門家が容易に類推できるものは本発明の権利範囲に属するものとして解釈される。本発明に引用された参考文献は、本発明に参考として統合される。]
[0051] 実施例
実施例1:バイオセンサーの製作
本発明のバイオセンサーは、当業界に知られた一般的な方法を利用して製作されるが、酸化シリコン薄膜形成技術、フォトリソグラフィ(photolithography)技術、露光パターニング技術、現像技術、湿式および/または乾式エッチング技術などを用いて製作される。詳しくはMEMS(Micro−Electro−Mechanical−Systems)技術を利用してシリコン基板上に金属電極を形成した後、化学気相法を利用して二酸化シリコン膜または窒化シリコン膜を前記金属電極表面上に蒸着させ製作される。]
[0052] 以下では本発明の一実施例のバイオセンサーの製造過程を段階別に説明する。]
[0053] 実施例1−1:シリコン基板および金属電極パターンの形成
図2を参照に本発明の一実施例のバイオセンサーの製造過程を説明する。
膜厚が500μmのN−型シリコンウェーハ(10)を熱酸化して酸化絶縁膜層である約5000ÅのSiO2層(12)を形成した(図2の(a)段階)。通常のフォトリソグラフィ工程を利用してTi/Au(300Å/3000Å)の金属層(20)をパターニングして金属電極を形成した(図2の(b)段階)。] 図2
[0054] 実施例1−2:金属電極表面への誘電性薄膜蒸着
金属電極表面(20)に二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(l)の誘電性薄膜を蒸着する過程は、化学気相蒸着と関連し、公知の蒸着方法と装備を利用して行われる。]
[0055] 図2の(b)に示すように、シリコン基板(10)上に絶縁膜(12)を間に置いて金属電極(20)が形成されれば、金属電極表面に二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)を蒸着する(図2の(c)段階)。図3には二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)が蒸着された金属電極(20)が拡大され図示されている。] 図2 図3
[0056] 具体的に、二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)の誘電性薄膜を蒸着するために当業界にて通常、用いられている化学気相蒸着装備としてはLPCVDシステム(Low Pressure Chemical Vapor Deposition system)、PECVDシステム(Plasma EnhancedCVD system)およびP−5000システムなどがある。]
[0057] LPCVDシステムを利用した化学蒸着方式は、低圧(Low Pressure)で化学蒸着をする方式であって、蒸着された膜の純度が高く、均一という長所があるものの、蒸着速度が劣り、高い蒸着温度が短所である方式である。PECVD(Plasma Enhanced CVD)システムを利用した化学蒸着方式は、プラズマを利用して化学蒸着をする方式であって、蒸着速度が速く、低い蒸着温度で動作するものの、不純物が生じることが短所の方式である。また、P−5000システムは水平固定型単位のPECVDシステムとしてプラズマを利用して化学蒸着をする方式である。]
[0058] 本実施例においてはPECVDシステム、LPCVDシステムおよびP−5000システムを利用して金属電極表面(20)に二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)を蒸着した。本実施例において金属電極表面(20)への誘電性薄膜(1)蒸着に用いられた蒸着装備による蒸着条件は以下の通りである。一方、本実施例にては詳述しなかったが、最近CVD方法を応用して開発されたALD(Atomic Layer Deposition)方法を用いて金属電極表面(20)に誘電性薄膜を蒸着することができるということは当業者であれば、理解できるはずである。]
[0059] 1.PECVDシステム
(1)窒化シリコン薄膜蒸着条件
(a)気体流量(Gas flow rate):(単位:sccm)
5%SiH4/N2:800sccm
NH3:10sccm
N2:1200sccm
(b)圧力:580mTorr
(c)電源(RF Power):低周波数(187kHz)、60W
(d)蒸着速度(Depo. Rate):160Å/min
(e)温度(℃):300℃
(2)二酸化シリコン薄膜蒸着条件
(a)気体流量(Gas flow rate):(単位:sccm)
5%SiH4/N2:160sccm
N2O:1500sccm
N2:240sccm
(b)圧力:550mTorr
(c)電源(RF Power):低周波数(187kHz)、60W
(d)蒸着速度(Depo. Rate):340Å/min
(e)温度(℃):300℃
2.LPCVDシステム
(1)窒化シリコン薄膜蒸着条件
(a)気体流量(Gas flow rate):(単位:sccm)
SiH2Cl2:30sccm
NH3:100sccm
(b)圧力:300mTorr
(c)温度(℃)
前方(Front):775℃
中間(Center):785℃
後方(Rear):795℃
(d)蒸着速度(Depo. Rate):35−45Å/min
(2)低応力窒化シリコン薄膜(Low Stress Nitride)蒸着条件
(a)気体流量(Gas flow rate):(単位:sccm)
SiH2Cl2:100sccm
NH3:20sccm
(b)圧力:140mTorr
(c)温度(℃)
前方(Front):825℃
中間(Center):835℃
後方(Rear):845℃
(d)蒸着速度(Depo. Rate):35−45Å/min
3.P−5000システム
TEOS酸化物(TEOS oxide;Tetraethoxysilane oxide)を用いた二酸化シリコン薄膜蒸着条件
(a)気体流量(Gas flow rate):(単位:sccm)
TEOSソース(source):220sccm
O2:220sccm
(b)圧力:9 Torr
(c)電源(RF Power)(W):350W(at 13.56MHz)
(d)蒸着速度(Depo. Rate):125Å/min
(e)温度(℃):390℃
完成したバイオセンサーの金属電極(20)のパターンは図3に示す通りである。図3は図2の(c)に示す金属電極(20)の一部を拡大して模式的に示された図面である。図3から確認されるように、本発明のバイオセンサーのシリコン基板(10)上に形成された金属電極(20)上には二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)に薄く蒸着されていることを知ることができる。] 図2 図3
[0060] 実施例2:PCR反応チップの製作
実施例1において製作されたバイオセンサーは、多様なバイオチップに適用されることができる。例えば、PCR増幅反応のためのPCR反応チップに適用されることができる。
図4にはガラスウェーハを間において上部電極(20a)が形成されたシリコン基板(10a)と下部電極(20b)が形成されたシリコン基板(10b)とが接合された3段構造のPCR反応チップが示されている。ところが、本発明はこれに制限されるものでなく、例えば、シリコン基板(10)が直接結合された2段構造のPCR反応チップにも適用可能であり、IDE電極が形成されたチェンバーを有するPCR反応チップ、DNAハイブリッド反応チップなど、当業界に知られたバイオチップに適用可能ということは当業者であれば、理解できるはずである。
以下では、実施例1にて製作されたバイオセンサーが適用された3段構造のPCR反応チップ(200)の製造過程を説明する。] 図4
[0061] まず、図4に示された上部電極(20a)が形成されたシリコン基板(10a)と下部電極(20b)が形成されたシリコン基板(10b)は図5に示すような工程を経て製作される。その次、ガラスウェーハ(30)により上下シリコン基板(10a、10b)が接合され、図4に示すような3段構造のPCR反応チップ(200)が製作される。] 図4 図5
[0062] まず、砒素がトッピングされた300μmのN−型シリコンウェーハ(10)を熱酸化してシリコンウェーハ(10)の上下面に酸化膜層である約6,500ÅのSiO2層(12)を形成した(図5の(a)段階)。その次、上部酸化膜層(12)をフォトレジストAZ 5214(14)で塗布した(図5の(b)段階)。前記フォトレジスト(14)上に金属電極パターンのマスク(図示しない)を載せて紫外線に露光させた後、前記シリコンウェーハ(10)を現像液に漬けて現像し、エッチング処理した。前記エッチングされたウェーハ(10)の上面上にクロム(300Å)および金(2000Å)薄膜(20)を蒸着させ、下面にはアルミニウム(1000Å)薄膜(22)を蒸着させた(図5の(c)段階)。前記クロムおよび金薄膜(20)の蒸着は、化学気相蒸着(chemical vapor deposition;CVD)、真空蒸着(vacuum evaporation)またはスパッターリング(sputtering)を利用して行った。その次、公知のリフト−オフ(lift−off)工程を利用して残されたフォトレジスト層(14)とこの残されたフォトレジスト層上の薄膜の一部を除去し、金属電極(20)を形成した(図5の(d)段階)。そして、シリコンウェーハ(10)の上下面にフォトレジストAZ4620を塗布し(図5の(e)段階)、アルミニウム薄膜(22)上にフォトレジストパターンを形成し、アルミニウム薄膜層(22)をエッチングした後、再び酸化絶縁層(12)およびシリコン基板(10)をエッチング処理した(図5の(f)、(g)、(h)および(i)段階)。エッチング後、残っているフォトレジストを除去し、残余アルミニウム薄膜(22)をエッチングし、実施例1にて説明したような方式で誘電性薄膜(1)を蒸着させた(図5の(j)および(k)段階)。
前述した方式によって製作された上部シリコンウェーハ(10a)と下部シリコンウェーハ(10b)を、サンドブラスト工法によってPCRチップの反応チェンバー・スペース(46)が形成されたガラスウェーハ(30)(1000μm)を間において陽極接合法(anodic bonding)を利用して接合した(図5の(l)段階)。接合されたシリコン基板(10a、10b)とガラスウェーハ(30)をダイシングして最終PCR反応チップ(200)を製作した(図4参照)。] 図4 図5
[0063] 前記陽極接合法はシリコン基板とガラス基板とを接合させるための方法であって、高い電気場と熱を加えてガラス基板内に存在する陽電荷を帯びたイオン(例えば、Na+イオン)をシリコンとガラスとが接地する反対側に移動させてシリコン基板とガラス基板の表面において水素結合を形成させ、二つの基板を接合させる方法である。]
[0064] 本実施例によって製作されたPCR反応チップ(200)は、上部電極(20a)と下部電極(20b)が三次元的にお互い向かい合う構造からなる。]
[0065] 前記PCR反応チップ(200)において上部シリコン基板(10a)および下部シリコン基板(10b)上には各々上部金属電極(20a)および下部金属電極(20b)が形成されており、これらの金属電極表面(20a、20b)には二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜(1)が蒸着されている。そして上部シリコン基板(10a)はガラスウェーハ(30)により一定の距離を置いて下部シリコン基板(10b)と接合され、反応チェンバー・スペース(46)を形成する(図4参照)。] 図4
[0066] 前記反応チェンバー・スペース(46)は検出対象試料とPCR反応溶液(DNA重合酵素含む)が収容され、PCR反応が行われる空間である。従来技術では反応チェンバー・スペース(46)に収容されたPCR反応溶液内の重合酵素が金属電極表面(20)に非特異的吸着をし、PCR反応を妨害したり金属電極による電気的検出結果を歪めるという問題があった。しかし、本発明のPCR反応チップ(200)の金属電極表面には誘電性薄膜が形成され、重合酵素の非特異的吸着が防止される。]
[0067] 一方、上部シリコン基板(10a)には膜厚方向に流体流入口(36a)が貫通して形成されており、前記流体流入口(36a)に対向する位置に膜厚方向に流出口(36b)が貫通して形成されている(図4参照)。図4に示すように、前記流入口(36a)と前記反応チェンバー(46)、そして前記流出口(36b)と前記反応チェンバー (46)は流体が流動できるように連通されている。前記流入口(36a)を通してPCR反応溶液および検出対象試料が流入され、前記流出口(36b)を通してPCR反応溶液および検出対象試料が流出される。] 図4
[0068] 実施例3:PCR反応チップを利用したPCR反応の分析
実施例2にて製作されたPCR反応チップ(200)を利用してPCR反応を行い、また誘電性薄膜が金属電極表面に蒸着されない対照群PCR反応チップ(電極表面積が34 mm2であるものと電極表面積が10mm2であるもの)を利用してPCR反応を行った。]
[0069] PCR反応の遂行はPromegaのPCRCore SystemII PCRキット(PCR反応を簡便に行うために販売するPCR反応溶液;米国Promega社製品)とテンプレートDNAを利用し、本発明のPCR反応チップ(200)と対照群PCR反応チップ(電極表面積が34mm2であるものと電極表面積が10mm2であるもの)にて行われた。PCR反応はPromegaで推奨する各PCRサイクル毎のPCR反応時間と反応温度に合せて25ないし35サイクル進行した。]
[0070] また、PCR反応条件を2つに分けてPCR反応を進行させた。PCR反応条件1(PCRcondition 1)においてはテンプレートDNAの濃度を0.06ng/μlにし、DNA重合酵素の濃度を0.1U/μlにし、PCR反応を行った。そしてPCR反応条件2(PCR condition 2)においてはテンプレートDNAの濃度を0.06ng/μlにし、DNA重合酵素の濃度を0.025U/μlにし、PCR反応を行った(表1参照)。]
[0071] 表1.PCR反応条件]
[0072] 実施例2にて製作されたPCR反応チップ(200)を利用してPCR反応を行った後の電気泳動結果と、誘電性薄膜が金属電極表面に蒸着されない対照群PCR反応チップ(電極表面積が34mm2であるものと電極表面積が10mm2であるもの)を利用してPCR反応を行った後の電気泳動結果を確認した(図6)。] 図6
[0073] 図6に示すように、テンプレートDNAのない1番ラインの場合にはPCR産物が生成されないため、バンドが観察されず、本発明のPCR反応チップ(200)を利用してPCR反応を行った場合(2番ライン)には前記PCR反応条件1とPCR反応条件2においていずれも鮮明なバンドが観察された。これに対し、対照群PCR反応チップ(電極表面積が34mm2であるもの)を利用してPCR反応を行った場合(3番ライン)には前記PCR反応条件1とPCR反応条件2においていずれもバンドが観察されなった。また、対照群PCR反応チップ(電極表面積が10mm2であるもの)を利用してPCR反応を行った場合(4番ライン)にはPCR反応条件2においてはバンドが観察されず、DNA重合酵素の濃度を高めたPCR反応条件1においては弱いバンドが観察された。
このような結果を総合してみたとき、金属電極表面に誘電性薄膜を形成しない対照群PCR反応チップの場合には、金属電極表面へのタンパク質の非特異的吸着によりPCR重合反応が妨害を受けるのに対し、本発明のPCR反応チップ(200)においては金属電極表面へのタンパク質の非特異的吸着が起こらないため、PCR反応が円滑に行われ、PCR産物が生成されたことを確認することができた。
また、本発明のPCR反応チップ(200)のバイオセンサー金属電極(20)に交流を引加して電極(20)間のインピーダンス値を測定すると、良好な結果が測定される。本発明の一実施例のPCR反応チップ(200)の金属電極(20)の表面には二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜のような誘電性薄膜が蒸着されているため、交流を引加して電極(20)間のインピーダンス値を測定するのが好ましい。
したがって、本発明のバイオセンサーは金属表面へのタンパク質の非特異的吸着を防止し、バイオチップ内において生理活性物質の反応が円滑に行われるようにし、また、生理活性物質の反応による電気的検出感度および検出再現性を高めることを知ることができる。] 図6
[0074] 以上、本発明を前記実施例を挙げて説明したが、本発明はこれに制限されるものでない。当業者であれば、本発明の趣旨および範囲を外れることなく、修正、変更することができ、このような修正と変更もまた本発明に属すものであることを知ることができる。]
权利要求:

請求項1
反応溶液内において生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出するバイオセンサーにおいて、基板と、前記基板上に形成された絶縁膜を間に置いて形成され、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極を含み、前記センシング金属電極表面には誘電性薄膜が形成されたことを特徴とするバイオセンサー。
請求項2
前記誘電性薄膜は、誘電定数の高い物質からなる薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
請求項3
前記誘電性薄膜は、二酸化シリコン薄膜、窒化シリコン薄膜、酸化窒化シリコン薄膜、PSG薄膜、BPSG薄膜およびTa2O5薄膜から構成された群から選択された少なくとも一種の薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
請求項4
前記誘電性薄膜は、二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
請求項5
前記誘電性薄膜の膜厚は、1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
請求項6
前記電気的変化は、インピーダンス変化またはキャパシタンス変化であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
請求項7
反応溶液内において生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出するバイオセンサーの製造方法において、基板を準備する段階と、前記基板上に絶縁膜を成膜する段階と、前記絶縁膜上に金属層を積層し、フォトリソグラフィ工程を利用して前記金属層をパターニングする段階と、前記パターニングされた金属層をエッチング処理し、金属電極を形成する段階と、前記金属電極表面上に誘電性薄膜を形成する段階と、を含むバイオセンサーの製造方法。
請求項8
前記誘電性薄膜を形成する段階は、誘電定数の高い物質を蒸着することを特徴とする請求項7に記載のバイオセンサーの製造方法。
請求項9
前記誘電性薄膜を形成する段階は、二酸化シリコン薄膜、窒化シリコン薄膜、酸化窒化シリコン薄膜、PSG薄膜、BPSG薄膜およびTa2O5薄膜から構成された群から選択された少なくとも一種の薄膜を蒸着することを特徴とする請求項7に記載のバイオセンサーの製造方法。
請求項10
前記誘電性薄膜を形成する段階は、二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜を蒸着することを特徴とする請求項7に記載のバイオセンサーの製造方法。
請求項11
前記誘電性薄膜を形成する段階において、該誘電性薄膜は1μm以下に形成することを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか一項に記載のバイオセンサーの製造方法。
請求項12
反応チェンバー・スペース内の反応溶液下において生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出するバイオチップにおいて、第1の基板と、前記第1の基板上に形成された絶縁膜を間に置いて形成され、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極と、前記第1の基板上に一定の距離を置き、前記第1の基板と結合して反応チェンバー・スペースを形成する第2の基板を含み、前記金属電極表面には誘電性薄膜が形成されたことを特徴とするバイオチップ。
請求項13
前記誘電性薄膜は、誘電定数の高い物質からなる薄膜であることを特徴とする請求項12に記載のバイオチップ。
請求項14
前記誘電性薄膜は、二酸化シリコン薄膜、窒化シリコン薄膜、酸化窒化シリコン薄膜、PSG薄膜、BPSG薄膜およびTa2O5薄膜から構成された群から選択された少なくとも一種の薄膜であることを特徴とする請求項12に記載のバイオチップ。
請求項15
前記誘電性薄膜は、二酸化シリコン薄膜または窒化シリコン薄膜であることを特徴とする請求項12に記載のバイオチップ。
請求項16
前記誘電性薄膜の膜厚は、1μm以下であることを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載のバイオチップ。
請求項17
前記第2の基板は、生理活性物質の生物学的、生化学的または化学的反応による電気的変化を検出する1つまたはそれ以上のセンシング金属電極を含むことを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載のバイオチップ。
請求項18
前記電気的変化は、インピーダンス変化またはキャパシタンス変化であることを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか一項に記載のバイオチップ。
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